脂肪は肥満や、血流悪化の原因だというイメージがありますが、私たちの体になくてはならない栄養素です。
脂肪はたんぱく質、炭水化物と並び、三大栄養素に含まれ、人間が生きるために欠かせない栄養素です。体内では脂質になり、時にはエネルギーとして、時には肥満の原因として、私たちの体に様々な影響を与えます。
食品や体内の脂肪は脂肪酸により構成されています。
最近注目されている「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」は脂肪酸を大きく2つに分類したものです。
それぞれの違いを説明できる人は多くないのではないでしょうか。
この記事では、健康維持に欠かせない2つの脂肪酸について解説します。
どのような効果があるのか、どのような食品に多く含まれているのか、それぞれ解説していきます。
モテるための健康的な体【健モテ】な体づくりのために、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」について正しい知識を身に付けましょう。
脂肪酸とは
脂肪酸は脂質を構成する主成分です。
食品の脂肪の90%が脂肪酸で構成されています。
脂肪酸は下の図のように
炭素(C)、水素(H)、酸素(O)が鎖状に繋がった物質です。
炭素の全体的な数、炭素と水素の繋がり方で、脂肪酸の種類が変わります。上の図は炭素(C)が18個のステアリン酸です。
脂肪酸は体内で吸収され、最終的には炭酸ガスと水になります。その過程で生きるために必要なエネルギーを発生させます。
「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」の違い
脂肪酸は大きく
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。
それぞれの違いは、水素(H)が飽和状態であるかどうかです。
飽和とは、
「最大限まで満たされた状態のこと」です。
つまり飽和脂肪酸は水素が満たされている、不飽和脂肪酸は満たされていないということです。
詳しく説明していきましょう。
脂肪酸は炭素、水素、酸素が繋がり、構成されています。
炭素と水素が繋がる際、「炭素1つに対し、水素2つまで繋がることができる」というルールがあります。
水素が2つ繋がっている場合は飽和状態であると言えますね。そのため「飽和脂肪酸」に分けられます。
飽和脂肪酸の例)ステアリン酸
水素が最大限まで満たされている状態。
酸素が入り込む隙間がないため、酸化しにくく、常温で固体なのが特徴
一方、水素が2つ繋がっていない脂肪酸もあります。この場合は、飽和状態でないため「不飽和脂肪酸」に分けられます。
不飽和脂肪酸は水素が足りていないため、炭素同士が2重に結合しています。これを「2重結合」と言います。
2重結合が1つのものを「一価不飽和脂肪酸」2つ以上あるものを「多価不飽和脂肪酸」と言います。
一価不飽和脂肪酸の例)オレイン酸
オリーブオイルなどの植物性の油に多く含まれる。常温で液体なのが特徴。
多価不飽和脂肪酸の例)リノール酸
水素の結合が少ないため、非常に酸化しやすく、調理用オイルとしては不向き。
人間が体内で合成できない必須脂肪酸が多い。
飽和脂肪酸の効果
飽和脂肪酸は動物の脂肪分に多く、融点(液体になるために必要な温度)が高く、常温では固形です。
植物ではココナッツオイルやパームオイルがこの分類です。
科学的に非常に安定しており、酸化(劣化)しにくいのが特徴です。
人間が活動するための一番のエネルギー源であり、脂肪として蓄えられるのは飽和脂肪酸です。
摂取しすぎると中性脂肪の増加による肥満だけでなく、血中コレステロール値も上がると言われています。
しかし、牛肉に含まれるパルチミン酸はLDL(悪玉コレステロール)を減少させ、HDL(善玉コレステロール)を増加させる作用があります。これにより血中コレステロール値を下げる効果があります。
また、ココナッツオイルに含まれる植物性オイルは体内に蓄積されにくいため、体脂肪率の減少に効果があります。
必ずしも飽和脂肪酸が肥満や血流の悪化の原因になるわけではないようです。あくまで摂りすぎや偏った食生活による、脂肪酸のバランスの乱れが問題視されています。
不飽和脂肪酸の効果
前述の通り、不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
性質や効果も違うためそれぞれに分けて説明します。
一価不飽和脂肪酸
別名オメガ9(n-9)脂肪酸と呼ばれます。
オリーブオイルなどの植物性オイルに多く含まれており、血中コレステロール、体脂肪率減少といった効果があります。
また、心臓病やがんの発生を抑制する効果や胃酸の分泌を正常に整える効果もあります。
常温では液体で、熱に強いため調理用として使用しやすいのも特徴です。
多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸はさらにオメガ6(n-6)、オメガ3(n-3)という系統に分けられます。多価不飽和脂肪酸には体内で合成できない脂肪酸があります。これらは必須脂肪酸と呼ばれ、食事からの摂取が求められています。
必須脂肪酸
オメガ6
・リノール酸 ・γ-リノレン酸 ・アラキドン酸
オメガ3
・ドコサヘキサエン酸(DHA)・α-リノレン酸
・エイコサペンタエン酸(EPA)
オメガ6(n-6)
植物オイル、大豆食品に含まれる脂肪酸です。
コレステロール、血糖値の減少に効果があります。
善玉コレステロール(HDL)も減少させるため、過剰摂取による動脈硬化、発がん性が問題視されます。
とりすぎには注意しましょう。
オメガ3(n-3)
魚に多く含まれる脂肪酸です。
EPA(エイコサペンタエン酸)は血中コレステロールを減少させ、血液をサラサラにする効果があります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の活性化を促進します。特に子供が摂取することで頭が良くなると言われます。
SMP比を意識しよう
SMP比は、食事に含まれる脂肪酸の摂取比率のバランスのことです。
・飽和脂肪酸 → S
(Saturated fatty acid)
・一価不飽和脂肪酸 → M
(Monounsaturated fatty acid)
・多価不飽和脂肪酸 → P
(Polyunsaturated fatty acid)
それぞれのアルファベットの頭文字を取ってSMP比と呼びます。
飽和脂肪酸はエネルギー源となりますが、過剰摂取はコレステロールを増加させ、血液ドロドロ化の原因になります。
一価不飽和脂肪酸はコレステロールの低下作用があるため、一定量の摂取が必要とされます。
血液サラサラ、コレステロール低下に効果のある多価不飽和脂肪酸ですが、酸化しやすいため、ビタミンCを過剰に消費してしまうことが懸念されております。
これらの点を踏まえ、SMP比、
飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸は
3:4:3が理想的であると言われています。
調理用油はオリーブオイルを使用し、肉と魚のバランスを考え、理想的なSMP比を心掛けましょう。
まとめ
脂肪を構成する脂肪酸について説明してきました。
三大栄養素の一つである、脂肪は私たちが生きるために必要不可欠な栄養素です。
ただし、脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、それぞれ体に及ぼす効果が違います。
飽和脂肪酸はエネルギー源として、人間の活動に必要ですが、過剰摂取は血中コレステロールを増加させます。
不飽和脂肪酸はコレステロールを低下させますが、飽和脂肪酸ほどのエネルギーにはなりません。
効率の良いエネルギー源になり、さらに血流改善の効果も欲しいのであれば、バランスの良い摂取が必要です。
SMP比を意識し、体内改善を目指しましょう。
モテるための健康体【健モテ】な体づくりのため、脂肪酸で体内も魅力的な体を手に入れましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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