ビタミンは生物が生きていく上で必要な栄養素です。
しかしビタミンには3大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂肪)のように、体をつくり、エネルギーとなる作用はありません。
免疫量UPや成長のサポートなど、他の栄養素のはたらきを助ける作用があります。
機械で例えるなら、3大栄養素がガソリン、ビタミンは潤滑油のようなはたらきで、体の健康維持を支えています。
そのため、体に必要な栄養素を5大栄養素まで広げると、ビタミンが含まれます。
(もう1つはミネラル)
計13種類あるビタミンの効果を紹介していきます。
モテるための健康体【健モテ】な体づくりのため、ビタミンで体の内側からきれいになりましょう。
目次
ビタミンとは
ビタミンの定義は『生物の成長や生存に微量に必要な有機化合物で、体内では作られず、エネルギー源にならない必須栄養素』とされています。
くだけて説明すると、体内で作ることができず、炭水化物、たんぱく質、脂肪のように、体内でエネルギーや体の構成となる栄養素ではないものの、生きるために少し必要な有機化合物です。
日本ではビタミンは慣用句として、1つの物質のように使われることがしばしばですが、ビタミンの種類は多く、現在は13種類あります。
また、慣用句の延長線で、酸っぱくて黄色のイメージがありますが、ほとんどが無味無臭、無色透明です。
ビタミンが不足すると「ビタミン欠乏症」として、成長障害や様々な病気の原因になります。
ビタミンはエネルギーにはなりませんが、他の栄養素の吸収や効果をスムーズにするはたらきがあります。
冒頭でも説明しましたが、三大栄養素がガソリンならビタミンは潤滑油のようなはたらきで、健康を支えています。
ビタミンは大きく分けると、「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」に分けられます。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは水に溶けにくいが、脂に溶けやすい性質のビタミンです。脂溶性ビタミンが含まれている食品を水洗いしても流れ落ちず、熱に強い性質もあるため、調理にも向いています。
水溶性ビタミンは体内に吸収しきれなかった分は排泄されます。しかし脂溶性ビタミンは排泄されずに体内に蓄積されるため、過剰摂取は人体に悪影響を与える恐れがあります。
脂溶性ビタミン
・ビタミンA ・ビタミンD
・ビタミンE ・ビカミンK
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは水に溶けやすいビタミンです。体内で吸収しきれなかったビタミンは尿などで排泄されるため、過剰摂取の心配がほとんどありません。
一方で「熱に弱い」「水洗いで流れる」というデメリットもあるため、熱を加える調理では摂取が難しいです。
水溶性ビタミン
・ビタミンB1 ・ビタミンB2
・ビタミンB6 ・ビタミンB12
・ナイアシン ・パントテン酸
・ビオチン ・葉酸
・ビタミンC
ビタミンの歴史
ビタミンの発見は1970年代にさかのぼります。
戦時中、兵士が栄養不足で集団的に壊血病や脚気にかかることが多く、軍医はこれを治療しようとして研究を始めました。
病気にかかるのが下級兵士ばかりで、士官たちはかからないことに気づいた軍医は、彼らの食事の違いに注目しました。
日本でも海軍の兵士に脚気が流行し、軍医が食事の違いに気づいています。
下級兵士が食べていた質素な食事に野菜類が含まれていなかったため、軍医が勧めた食事が、フルーツや野菜です。
※壊血病はビタミンCが、脚気はビタミンB1がそれぞれ欠乏することで発生します。
それからさらに研究が進み、病気予防や健康的に生きるため、ビタミンが必要であると世界中に広まったのです。
ビタミンBの種類が多い理由
ビタミンCやビタミンAは単体です。それに対し、なぜかビタミンBだけ「ビタミンB群」と呼ばれ、番号がふられています。
その理由は、
ビタミンB群は昔は1つの栄養素だと思われていたから
です。
研究が進むにつれ複数のビタミンの混合であることが分かり、それらを単体に分離したのがビタミンB群です。
分離した当初、ビタミンB群は20種近くありました。しかし、他のビタミンとの混合であったり、そもそもビタミンでなかったりしたため、現在の8種に落ち着きました。
ちなみに、ビタミンB群である葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンは名称の方が一般的になっているため、B+数字では呼ばなくなっています。
ビタミンの種類と効果
ビタミンが性質上、脂溶性と水溶性に分けられるという説明をしました。
そこからさらに成分で分類されています。
現存のビタミンは脂溶性が4種、水溶性が9種です。
過去にビタミンとされていたものが、後にビタミンから外される場合があります。
研究が進むにつれ、ビタミンの定義から外れるものが出てきたのです。
ビタミンから外される理由としては、
・体内で合成できる
・三大栄養素のどれかに分類される
・薬用の作用はあるが、必ず必要というわけではない
・害がある
などがあげられます。
ただし、ビタミンから外されたとしても『ビタミン様物質』として、摂取が勧められるものもあります。
では現在のビタミンを種類ごとに紹介していきます。
ビタミンA(レチノール)
ビタミンAは脂溶性ビタミンです。
ビタミンAの主なはたらきは網膜細胞の保護です。つまり目が正常に働くために必要な栄養素ということです。
他にも、成長の促進、肌の健康維持、粘膜の保護といった作用があります。
粘膜が強化されることで、免疫力が上がります。
ビタミンAはレチノールという成分で、人間の体に存在しています。
レチノールは動物の体内に存在する成分なので、肉や魚などから摂取できます。
また、野菜類にはβカロテンをはじめとするプロビタミンAという成分が含まれています。
プロビタミンAは人間の小腸、肝臓、腎臓でレチノールに変換されます。
ビタミンAは過剰摂取で副作用が発生する恐れがあります。しかし、プロビタミンAは不要な量が排泄されるため、過剰摂取の心配がありません。
ビタミンAを多く含む食材
・レバー ・うなぎ ・チーズ
・バター ・卵 etc…
βカロテンを多く含む食材
・ニンジン、ほうれん草をはじめとする緑黄色野菜
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1は水溶性ビタミンです。
炭水化物、脂肪をエネルギーに変換する際に必要となるのがビタミンB1です。
ビタミンB1を摂取することで、体内のエネルギー生産が正常にはたらき、疲れにくい体になれます。
また、脳が活動する際には炭水化物を分解して作られる糖質が必要であるため、ビタミンB1は脳の活性化や疲労防止にも作用します。
ビタミンB1が不足することで脚気になることが分かっています。
ビタミンB1を多く含む食材
・豚肉 ・レバー ・米ぬか ・たらこ
ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB2は水溶性ビタミンです。栄養ドリンクやビタミン剤に配合されることが多く、エネルギー生産に効果的なビタミンです。
ビタミンB2はたんぱく質、炭水化物、脂肪の代謝に必要とされます。また、赤血球や抗体の形成、体の成長にも作用します。
皮膚や粘膜、爪や髪の健康維持にも必要とされるため、ビタミンB2は美肌や目の健康維持に効果的です。
ビタミンB2が不足することで口内炎、肌荒れ、皮膚の炎症を引き起こします。
ビタミンB2を多く含む食材
・レバー ・卵 ・納豆 ・牛乳
※食物繊維を多く含む食品を摂取すると腸内細菌がビタミンB2を多く生産することが分かっています。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の1つで、水溶性ビタミンです。ニコチン酸、ニコチンアミドの総称をナイアシンと呼びます。
体内では、必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」からも合成することができます。
たんぱく質、炭水化物、脂肪の代謝に不可欠です。また、エネルギーや血液の循環、脳からの神経伝達にも作用しているビタミンです。
さらに、体内でエネルギーの生産や消化を助ける酵素のはたらきをサポートする補酵素としての役割も持っています。
アルコールの分解にもナイアシンは効果的です。
ナイアシンを多く含む食材
・魚 ・肉 ・レバー ・豆類
パントテン酸
パントテン酸はビタミンB群の1つで、水溶性ビタミンです。名前はギリシャ語で「どこにでもある」という意味で、幅広い動植物中に存在しています。
たんぱく質、炭水化物、脂肪の代謝に必要とされます。また、エネルギー生産に作用する、酵素のはたらきを助ける補酵素の役割も果たします。
また、抗ストレス、免疫抗体の合成といった作用もあります。
パントテン酸を多く含む食材
・レバー ・納豆 ・肉 ・魚 ・卵
ビタミンB6(ピリドキサール)
ビタミンB6は水溶性ビタミンです。
たんぱく質から分解されたアミノ酸をエネルギーにする際に不可欠とされるビタミンです。
また、糖質、脂肪の代謝にも作用するため、エネルギー生産に必要とされます。
赤血球の主成分であるヘモグロビンの合成にも作用しています。
ビタミンB6を多く含む食材
・肉 ・魚 ・バナナ
※多くの食品に含まれているため欠乏症になりにくい。
ビオチン
ビオチンはビタミンB群の1つで、水溶性ビタミンです。
たんぱく質、炭水化物、脂肪の代謝に必要とされます。
ビオチンは皮膚や毛髪の健康に作用するビタミンで、摂取することにより美肌、髪の毛の健康に効果があります。
ビオチンを多く含む食材
・牛レバー ・豆類 ・卵
葉酸
葉酸はビタミンB群の1つで、水溶性ビタミンです。
ほうれん草の葉から発見されたため、葉酸と名付けられました。
造血のビタミンとも呼ばれ、ビタミンB12と共に赤血球の生成をサポートしています。
また、DNAの形成にも関与しており、妊婦さんが摂取することで、胎児の成長を助けます。
近年では脳卒中や心筋梗塞などを予防する効果があることも分かっています。
葉酸を多く含む食材
・ホウレン草 ・ブロッコリー
・レバー ・枝豆
ビタミンB12(シアノコバラミン)
ビタミンB12は水溶性ビタミンです。貧血予防に効果的なビタミンです。
DNAの合成と脂肪の代謝に必要とされます。また、葉酸と共に赤血球を合成する作用もあります。
赤血球の奇形が生まれたり、赤血球の数が少なくなる悪性貧血を予防する効果もあります。
ビタミンB12を多く含む食材
・レバー ・カキ ・しじみ ・イクラ
ビタミンC(アスコルビン酸)
ビタミンCは水溶性のビタミンです。広く知れ渡っているので、ビタミンと聞いて最初に思いつくのはビタミンCではないでしょうか。
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要です。コラーゲンは、全身にの結合組織に強度を与えているたんぱく質で、皮膚や骨格の弾力性にも影響を与えている重要な成分です。
このコラーゲンが不足することで壊血病が発症します。
また、ビタミンCには強い抗酸化作用があるため、免疫力にも重要な影響を与えています。
ビタミンCを多く含む食材
・レモンやオレンジなどの柑橘類 ・トマト ・野菜全般
ビタミンD(エルゴカルシフェロール)
ビタミンDは脂溶性のビタミンです。食材からの摂取以外にも、日光を浴びることで作り出すこともできます。
ビタミンDはカルシウムの吸収に作用します。具体的には、腸からカルシウムを吸収し、血液中のカルシウム濃度を上げます。また、カルシウムの体外への排出を抑制する効果もあるため、体内のカルシウムの減少を防ぎます。
ビタミンDが筋肉の成長を助ける作用も分かっています。
ビタミンDを多く含む食材
・魚 ・キノコ類 ・卵
ビタミンE(トコフェロール)
ビタミンEは脂溶性ビタミンです。植物に多く存在しています。
優れた抗酸化作用により、脂肪をはじめとする、全身の細胞の老化を防ぎます。
細胞の老化による生活習慣病、がんを防ぐ効果があります。
ビタミンEを多く含む食材
・ナッツ類 ・植物油 ・魚
・アボカド
ビタミンK(フィロキノン)
ビタミンKは脂溶性ビタミンです。植物に含まれる「フィロキノン」動物の体内で、腸内細菌によって合成される「メナキノン」を総称してビタミンKと呼びます。
ビタミンKはカルシウムを使用して、血液を正常に凝固させるはたらきを持ちます。
また、骨の形成にも必要とされ、骨粗しょう症の予防や治療にも効果的です。
ビタミンKを多く含む食材
・納豆 ・シソ ・緑茶 ・紅茶
まとめ
ビタミンを種類ごとに解説しました。
ビタミンは私たちが健康に生きていくために必要な栄養素です。
現在はビタミンをサプリメントなどで気軽に摂取できるようになりました。
基本的には食事で必要量を摂取するのがベストですが、難しい場合はサプリメントも利用しましょう。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。
モテるための健康体【健モテ】な体を目指して、ビタミンで内面から健康体になりましょう。
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