ビタミンAは五大栄養素の1つである、ビタミンに属します。
ビタミンは私たちが生きていくために必要な栄養素です。
ビタミンが不足すると様々なビタミン欠乏症が体に起こります。
そんな、生きていくために必要な栄養素であるビタミンAについて解説します。
こちらの記事で、ビタミン全種類の効果などを解説しています。
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目次
ビタミンA(レチノール)とは
ビタミンAは水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質の「脂溶性ビタミン」です。
ビタミンAは生物の体の中では「レチノール」という成分で存在しています。
レチノールは動物に含まれている成分なので、動物を食べることで摂取することができます。
また、植物に含まれる、βカロテンをはじめとする「カロテノイド」は体内でレチノールに変換されます。
カロテノイドは主に小腸、肝臓、腎臓で分解されることで、レチノール(ビタミンA)となります。
この作用により植物からもビタミンAを摂取することができます。
このように、体内でレチノールに変換される物質を「プロビタミンA」と呼びます。
主なカロテノイド
・α-カロテン ・β-カロテン
・γ-カロテン
・β-クリプトキサンチン
※カロテノイドの中で、最もレチノールに変換されるのはβ-カロテンです。
α、γ-カロテン、β-クリプトキサンチンはβ-カロテンの半分の量がレチノールに変換させます。
ビタミンAはレチノール、カロテノイドの摂取によって体内に取り入れることができます。
レチノール活性当量
以前まではビタミンAは、レチノールとカロテノイドをはじめとするビタミンA効力を分けて考えていました。
しかし、近年ではビタミンAの体内での量は、動物に含まれるレチノールと植物に含まれるカロテノイドの摂取量を換算した値によって決められます。
これを「レチノール活性当量」といいます。
簡単に言うと、
「レチノールとカロテノイドの摂取量を式に当てはめて、計算した結果をビタミンAの摂取量にしましょう」
ということです。
β-カロテンは摂取量の1/12が、その他のカロテノイドは1/24がレチノールに変換され、それらをレチノール摂取量と足す、という内容の計算式です。
ビタミンAの効果
ビタミンAは目の網膜を正常に保つはたらきを持ちます。
暗いところでも目が慣れるのは、ビタミンAによる効果です。
また、成長においても重要なビタミンであり、皮膚や粘膜の健康維持にも必要な成分です。
美肌効果だけでなく、粘膜保護のおかげで、細菌やウイルスから体を守る効果もあります。
ビタミンAの欠乏症
ビタミンAは必須栄養素です。
そのため、不足すると様々な健康障害が生じます。
夜盲症(鳥目)・乾燥眼炎
夜盲症、通称「鳥目」は暗い所で目が慣れなくなる病気です。
ビタミンA不足により、網膜の正常作用が行われなくなるため発祥します。
また、ビタミンAは網膜を保護する役割も果たすため、不足すると眼球が乾燥し、炎症を起こします。
皮膚や粘膜の乾燥、角質化
ビタミンAは皮膚と粘膜の保護にも必要な成分です。
そのため、不足することで皮膚と粘膜が異常に乾燥し、角質化してしまいます。
紫外線に対する抵抗力が落ちてしまうため、日焼けによるシミの原因にもなります。
また、皮膚の免疫力が落ちてしまうので、様々な病気を引き起こしてしまうことがあります。
その他の欠乏症
過剰摂取による副作用
ビタミンAは脂溶性なため、尿として排泄されにくい性質があります。
体内に蓄積されやすいので、過剰摂取は肝臓に負担を与えやすいです。
また、妊婦さんは過剰摂取により胎児に影響を与える恐れがあります。
通常の食事で過剰摂取になることはほとんどありません。しかし、サプリメントにより過剰摂取になることがあります。
食事とサプリメントの併用には注意が必要と言えるでしょう。
過剰摂取による主な副作用
・頭痛 ・吐き気 ・肝機能障害
・胎児の成長不良、奇形の発生
※β-カロテンなどのカロテノイドは、不要な分が排泄されます。
過剰摂取になりにくいので、ビタミンAはカロテノイドから摂取することもおすすめです。
ビタミンAを多く含む食材
レチノール
・レバー ・バター ・マーガリン
・チーズ ・うなぎ
カロテノイド
まとめ
ビタミンAについて紹介しました。
目、肌の健康に必要なビタミンAは欠乏することで様々な病気を引き起こします。
過剰摂取に注意したい所もありますが、緑黄色野菜からのカロテノイド摂取であれば心配は入りません。
健康な生活を送るためにも、日頃の食生活を見直してみてください。
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