ビタミンDは必須栄養素であるビタミンの1つです。
ビタミンDはカルシウムと深い関係があり、血液のカルシウム濃度を高める作用があります。
カルシウムを血液に乗せて全身に運ぶ効果があります。
カルシウムは人体や精神に深く関係しているため、ビタミンD不足によりカルシウムが減少すると、様々な健康障害を引き起こします。
また、ビタミンDは免疫力UPの効果もあり、インフルエンザを予防します。
生きるために必要な栄養素、ビタミンDについて、詳しく解説していきます。
目次
ビタミンDとは
ビタミンDは5大栄養素の1つ、ビタミンに分類されます。
水に溶けにくく、脂に溶けやすい性質の脂溶性ビタミンです。
ビタミンDは植物に含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物に含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)の総称です。
※ちなみにビタミンD1はビタミンD2を主成分とする栄養素のの混合成分であったため、現在はビタミンDに含まれていません。また、ビタミンDはD2~D7まで存在しますが、人間に作用するのはD2とD3のみです。
ビタミンDは日光を浴びることにより、体内で合成することができるビタミンです。
ビタミンDの効果
ビタミンDは血中のカルシウム濃度を高める作用があります。
具体的には
・腸内でカルシウムの吸収を促進する
・骨からの血中へのカルシウム放出を促進する
・カルシウムが尿へ流れ出ることを抑制する
以上の作用です。
カルシウムの99%は歯や骨の形成に使われます。また、ビタミンDにはリンの吸収を促進する作用もあります。
カルシウムとリンは骨の形成に必要なミネラルです。ビタミンDは丈夫な歯や骨の形成、正常な骨の成長に欠かせません。
また、ビタミンDは抗菌作用があり、免疫力を高める作用があります。
インフルエンザへの予防が期待されます。
さらにインスリンの分泌を促進する作用があることも分かっており、糖尿病を予防します。
ビタミンDのがん予防作用
ビタミンDの濃度が高ければ、がんによる死亡率が下がるという研究結果が発表されています。
ビタミンDが乳がん、大腸がんをはじめとするがんに対して有効であることが近年分かってきました。
ビタミンDの効果まとめ
・カルシウムとリンの吸収を促進する
・歯や骨の強化
・正常な骨の成長
・免疫力UP
・インフルエンザ予防
・精神安定
・がん予防
・妊娠の促進
ビタミンDの欠乏症
ビタミンDが不足すると、リンとカルシウムの吸収率が悪くなり骨の形成に異常を起こします。
そのため子供ではくる病、成人では骨軟化症や骨粗しょう症という欠乏症を引き起こします。
ビタミンDの欠乏症まとめ
・くる病 ・骨軟化症
・骨粗しょう症・歯周病
・がん ・うつ病 ・糖尿病
ビタミンDの過剰摂取による副作用
ビタミンDは水に溶けにくい脂溶性ビタミンです。そのため、過剰な分が尿に溶けて体外へ排出されるのではなく、体内に蓄積されます。
過剰摂取は健康障害を起こすため注意が必要です。
特に体内のカルシウム濃度が高まりすぎると、嘔吐や便秘、衰弱などの症状があらわれる、高カルシウム血症を引き起こします。
主な副作用は次の通りです。
・高カルシウム血症 ・肝機能障害
・腎臓障害 ・尿路結石 ・嘔吐
・貧血・脱毛 ・疲労 ・けいれん
etc.
ビタミンDの摂取量と上限
成人
推奨量5.5ug/日 上限量100ug/日
ビタミンDを多く含む食材
ビタミンDは植物由来のビタミンD2と動物由来のビタミンD3に分けられます。
多く含む主な食材は次の通りです。
・サケ 39ug/1切れ
・さばの水煮缶 11ug/1缶
・キクラゲ 4.4ug/1束
・マイタケ 3.6ug/1束
・卵 1ug/1個
※さば缶は煮汁も全て食べることができます。手軽に効率よく栄養素を摂取できるため、ビタミンDの摂取におすすめです。
ビタミンD2とD3
ビタミンD3の方がビタミンD2より2倍以上の効果を表している、という意見もあります。
ただし、ラットに対してはビタミンD2の方が効果が高いとも言われています。
「どちらを摂ればいいの?」と思うかもしれませんが、両方の摂取が望ましいでしょう。
大切なのはバランスです。動物由来、植物由来両方をバランスよく摂取するよう心がけましょう。
ビタミンDと日光の関係
人間は日光に当たることでビタミンDを体内で合成することができます。
昼間、週に2回30分ほど、日焼け止めを塗っていない状態で日光を浴びることにより、十分な量のビタミンDが体内で作られます。
※ただし、季節や場所により日光浴に必要な時間は変動します。季節であれば冬、場所であれば北海道なら倍近くの時間が必要になります。
紫外線が人体に害を及ぼすのは、この2倍~3倍浴びた場合です。
まとめ
ビタミンDは人体にとって重要な、骨の健康維持に欠かせない栄養素です。
不足してしまうと骨に異常を起こし、生活に支障を与えるほどの重病を引き起こす恐れもあります。
現在は日焼けを嫌い、日光を避ける人が増えています。その結果、十分な量のビタミンDを合成することができず、カルシウム不足を招いています。
カルシウム不足は現代人に多い問題です。若いうちは症状が現れにくく、年を重ねるうちに骨の病気を招きます。
大切なのは食事と日光浴のバランスです。
ビタミンDの摂取で若いうちからカルシウム貯金を心がけ、骨の健康維持を目指しましょう。
最後までお読みいいただき、ありがとうございました。
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