カルシウムの効果!吸収を助ける栄養素と多く含む食材!不足すると?

カルシウムが人間の体にとって重要な栄養素だということは、結構皆さん知っていると思います。

子どもの成長にも欠かせず、給食で毎日出されるほどです。

カルシウムが丈夫な骨や歯を作ることは有名な話ですが、実はそれ以外にも重要な役割を果たしていることを知っていましたか?

今日は、現代人に不足しがちだと言われている、カルシウムについてお話しします。

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カルシウムはミネラル

人間が生きるためには栄養素が必要です。
たんぱく質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルは「5大栄養素」とされ、不足することで様々な健康障害を引き起こします。

カルシウムはミネラルの1種です。
体内で合成することができない「必須ミネラル」とされ、食事からの摂取が求められています。

 

骨はカルシウムの貯蔵庫

体内のカルシウムは体重の1~2%を占めていて、ミネラルの中では最も多いです。

体内のカルシウムの内99%は骨や歯に含まれていて、残りの1%が血液や細胞内に存在します。

この1%のカルシウムが血液の凝固(止血作用)や心筋をはじめとする筋肉の収縮、神経伝達物質の放出など、生理機能の調節に重要な役割を果たしています。
そのため、骨や歯のカルシウムは、この1%のカルシウムのために貯蔵されているとも言われています。

 

カルシウムの吸収

カルシウムを摂取すると、ビタミンDの作用により小腸で吸収されます。

カルシウムの摂取量が減ると、血中のカルシウム濃度が低下します。

上でも述べたように、体内の1%のカルシウムは生理機能の調節に欠かせない栄養素です。
そのため、血中のカルシウム濃度は、常に一定に保たれています。
(ビタミンD、エストロゲン、カルシトニン、甲状腺ホルモン、男性ホルモンなどの作用による)

血中のカルシウム濃度が高いと骨や歯に吸収され、逆に濃度が低いと骨や歯から血中に溶け出します。
カルシウムが骨や歯に吸収されるのを「骨形成」、骨や歯から溶け出すのを「骨吸収」と言います。

つまり、カルシウムの摂取量が低くなると、骨吸収が進み、骨や歯のカルシウムが減少してしまうんです。

 

カルシウム・パラドクスって?

カルシウムの摂取量が低いと、骨に含まれるカルシウムが血中に溶け出します。
この時、血中には骨から溶け出したカルシウムが大量に含まれています。
これを「カルシウム・パラドクス」と言います。

一見、血中のカルシウム濃度を高めようとする作用は、カルシウム不足の解消に繋がりそうです。
しかし、異常に増えた血中のカルシウムは血管内で固まってしまい「動脈硬化」を引き起こす恐れがあります。

また、血中カルシウム濃度を下げようとして、細胞内や骨に再び戻す作用も働きます。
細胞に入ったカルシウムはアルツハイマーや糖尿病のリスクを高め、骨に入るカルシウムは骨の変形を招きます。

食事からの十分なカルシウム摂取で、血中カルシウムの濃度を下げないように心がけることが重要です。

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カルシウムの効果

カルシウムと聞くと、骨や歯の強化っていうイメージが強いですよね。もちろん、骨や歯の強化もカルシウムの大切なはたらきの1つです。
しかしそれ以外にも、カルシウムには重要な役割があるんです。

体内のカルシウムは99%が骨や歯に、1%が血中や細胞内に存在していると説明しましたが、重要なのはその1%のカルシウムです。

主な作用は次の通りです。
・筋肉の収縮
・神経の情報伝達
・血液の凝固(止血)

これらの作用は、生きるために重要なため、血中や細胞内のカルシウムは常に一定になるように保たれています。

 

カルシウムはイライラを予防する?


よく、イライラしている人に「カルシウム不足じゃない?」って言いますよね。
カルシウムが不足することで、本当にイライラしてしまうんでしょうか?

医学的には、体内でカルシウムが不足してしまうことで、イライラが起きることは十分考えられるそうです。
これは、血中のカルシウムが持つ神経伝達の作用によるもので「カルシウムが不足することで神経伝達が遅れ、結果的にイライラしてしまう」ということです。

しかし上でも述べましたが、カルシウムの血中濃度は常に一定に保たれる仕組みになっています。
そのため、カルシウムの摂取不足が血中のカルシウム不足を招くのはあまり考えられません。
血中カルシウムの不足は、カルシウムの濃度を調節する、ビタミンDや甲状腺ホルモンなどの異常が考えられます。

どんな形であれ、結果的にカルシウム不足はイライラの原因の1つになるようです。
ただし「イライラの原因がカルシウム不足のみにある」という考えは持たない方が良さそうです。

 

カルシウムが不足すると、、、

長期間カルシウムの摂取が不足してしまうと、骨吸収が骨形成を上回ってしまいます。

そうなると年を重ねたときに骨がもろくなり、骨折しやすくなる「骨粗しょう症」のリスクが上がります。

また、子どもでも関節が変形してしまう「くる病」を引き起こしてしまう恐れがあるため、油断はできません。

若い内からカルシウムをコツコツ摂取することが大切です。

その他にも
高血圧、動脈硬化、認知症、免疫力の低下、糖尿病、肥満、腫瘍、軟骨の変形、関節症
など、多くの病気を引き起こす可能性があります。

 

カルシウムを多く含む食品

 食品食品摂取量カルシウム含有量
乳製品牛乳コップ1杯(200g)220mg
ヨーグルト1パック(100g)120mg
プロセスチーズ
(スライスチーズ)
1切れ(20g)126mg
パルメザンチーズ
(粉チーズ)
100g1300mg
野菜小松菜4/1切れ(70g)119mg
水菜4/1切れ(50g)105mg
海鮮ひじき10g140mg
さくらえび
(干しエビ)
大さじ1杯(5g)100mg
ししゃも3尾(45g)149mg
大豆食品木綿豆腐1丁(300g)360mg
納豆1パック(50g)45mg

参考:農林水産省「みんなの食育 大切な栄養素カルシウム

カルシウムは乳製品や魚介類に多く含まれ、最も多く含む食材は「干しさくらえび」で、100gに換算すると2000㎎という圧倒的数字です。
また、野菜や海藻類にも比較的多く含まれます。

 

カルシウムの摂取量

 男性女性
推奨量(日)実際の摂取量(日)推奨量(日)実際の摂取量(日)
1~2歳450㎎325㎎400㎎302㎎
3~5歳600㎎433㎎550㎎411㎎
6~7歳600㎎555㎎550㎎528㎎
8~9歳650㎎663㎎750㎎616㎎
10~11歳700㎎680㎎750㎎605㎎
12~14歳1000㎎675㎎800㎎606㎎
15~17歳800㎎533㎎650㎎433㎎
18~29歳800㎎415㎎650㎎366㎎
30~49歳650㎎392㎎650㎎399㎎
50~69歳700㎎484㎎650㎎479㎎
70歳以上700㎎519㎎650㎎474㎎

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)、「国民健康・栄養調査、第1部 栄養等接種状況調査の結果」(2012年版)

表を見れば分かる通り、ほぼ全ての世代でカルシウムの推奨摂取量に届いていません。
現代人が慢性的にカルシウム不足だと言われている所以ですね。

女性は小学生にかけて、男性も中学生にかけての成長期に、推奨摂取量が上がっています。
この時期にしっかりカルシウムを摂取することで、丈夫な骨の形成に効果的です。

また、妊婦さんにとってもカルシウムは必要な栄養素です。
不足してしまうと、胎児に影響が出てしまう場合があるため、積極的な摂取が必要です。

 

カルシウムの過剰摂取による副作用

カルシウムは過剰摂取しても尿によって体外に排出されるのが基本です。
そのため、食事からの過剰摂取は通常では考えられません。

しかし、サプリメントなどで急激に体内濃度を上げてしまうと、排出が間に合わずに副作用を起こす恐れがありす。

主な副作用は次の通りです。
・尿路結石などの泌尿器系結石
・他のミネラルの吸収阻害
※マグネシウムやリンといったミネラルの吸収を邪魔する恐れがあります。
それぞれの理想的な摂取の割合は、
カルシウム2:1マグネシウム
カルシウム1:1リン
だと言われています。

 

カルシウムとビタミンD

この記事に何度か登場したビタミンDですが、これにはカルシウムの吸収、血中のカルシウム濃度の調節といった役割があります。

カルシウムは単体では吸収率がとても低い栄養素です。
摂取した量の10~50%ほどしか吸収されません。

カルシウムを効率よく吸収するにはビタミンDが不可欠なんです。

現代人は食生活の乱れや極端に日焼けを嫌うことからビタミンDが不足しがちです。(日光浴により、体内でビタミンDが合成されます)

そのため、慢性的にビタミンDが不足してしまっているんです。
カルシウムの摂取を心掛けている人が、思ったように体内のカルシウム濃度が上げられないのは、ビタミンD不足によるものかもしれません。

ビタミンDはキノコ類や魚、卵に多く含まれています。

 

まとめ

カルシウムの効果をまとめました。

カルシウムは丈夫な骨や歯を作るだけでなく、筋肉や神経を動かすために欠かせない栄養素です。
そのため、体内のカルシウム濃度を一定に保つために厳格に調節されています。

カルシウムが不足してしまうと、骨のカルシウムが溶け出すことで、骨がもろくなってしまいます。
若いころは症状が出ない場合が多いですが、将来的に骨粗しょう症のリスクが高まります。

積極的にカルシウムを摂取し、丈夫な体を作っていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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