ビオチンは必須栄養素である「ビタミン」のうち、ビタミンＢ群に分類されます。
ビオチンが不足すると様々な健康障害を引き起こす可能性があります。
生きるために必要な栄養素「ビオチン」について解説します。
ビオチンとは
ビオチンは水に溶けやすい性質の水溶性ビタミンです。
ビタミンＢ群に分類され、肌の健康維持に関わっています。
皮膚の炎症を抑える成分として発見されたため、ドイツ語の「皮膚(Haut)」を取り、ビタミンＨと呼ばれたこともあります。
また、腸内細菌によって体内で合成することもできます。
基本的に不足することはまれです。しかし食生活、生活習慣の乱れで欠乏することがあります。
ビオチンの効果
ビオチンはアミノ酸の代謝に必要とされる栄養素です。
アミノ酸の代謝とは、三大栄養素であるたんぱく質からアミノ酸を分解し、体を構成する様々な細胞を合成することです。
たんぱく質から肌を作る際にも必要とされ、ビオチンの摂取により若々しい肌を維持することができます。
つまり、ビオチンには美肌効果があるということです。
また、髪の毛の合成にもビオチンが必要です。
ビオチンを摂取することで、健康的な髪を増やすことができ、育毛効果や白髪の予防にも繋がります。
ビオチンはたんぱく質からの筋肉合成にも関わっているため、摂取することで疲れにくい体にもなれます。
さらに、ビオチンには高血圧を予防する効果があります。
ビオチンの効果まとめ
・美肌効果
・育毛効果
・きれいな髪の毛の維持
・白髪予防
・筋肉の合成
・疲れにくい体へ
・高血圧予防による血圧の正常化
ビオチン療法
ビオチン療法は掌蹠膿疱症（しょうせきのうほうしょう）に効果的だと言われています。掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏にウミがたまり、膿疱（のうほう）と呼ばれる水ぶくれが多数できてしまう皮膚病です。
進行すれば関節炎や肋骨の痛みなどの症状が出るため、早期の治療が求められます。
ビオチン療法は、掌蹠膿疱症がビオチン不足により発症することを考えたうえでの治療法です。
ビオチンを投与し、血中濃度を上げることが目的です。
特に関節炎に対して効果が高いと言われています。
また、ビオチン療法はアトピー性皮膚炎、腸内環境の改善による便秘解消、美肌にも効果的です。
ニキビの予防や改善の効果も期待されています。
ビオチンは安全な成分であるため、ビオチン療法は肌のトラブルで悩んでいるのなら、試す価値がある治療法だと言えます。
ビオチンの欠乏症
ビオチンは幅広い食品に含まれているうえ、腸内細菌により体内で合成することができます。
そのため、あまり不足することのない栄養素です。しかし、食生活の乱れ、飲酒や喫煙により欠乏症を起こすことがあります。
また、抗生物質の摂取により腸内細菌の数が減ることによって欠乏症を引き起こす場合もあります。
卵白に含まれるアビジンはビオチンと結合しやすく、結合することで吸収率が下がります。
そのため、卵の大量摂取でも欠乏症を起こすことがあります。(卵を１日あたり10個以上摂取することで、欠乏症を引き起こすと言われています)
皮膚の健康維持や髪の毛の合成に必要な栄養素なため、欠乏すると基本的にそれらに影響がでます。
ひどい場合だと、神経や免疫力に影響を及ぼす場合もあるため、注意が必要です。
また、妊婦さんはビオチンの不足により胎児に奇形が発生することがあります。
ビオチンの欠乏症まとめ
・白髪の発生や増加
・脱毛
・皮膚の炎症
・食欲不振
・味覚障害
・血糖値上昇
・血圧異常
・神経障害
・免疫力の低下
・疲労
・筋肉の異常
・胎児の奇形発生率の上昇
ビオチンの過剰摂取による副作用
ビオチンは水溶性ビタミンです。
不要な量が尿により体外へ排出されるため、過剰摂取の心配はありません。
そのため副作用は報告されていません。
ビオチンを多く含も食材
ビオチンを多く含も食品は次の通りです。
・レバー ・肉類 ・魚類
・牛乳 ・野菜類 ・豆類
・卵 (卵の過剰摂取には注意が必要です)
おすすめサプリメント
まとめ
ビオチンは皮膚や髪の毛の健康維持に欠かせない栄養素です。
不足しにくい栄養素ではありますが、生活習慣の乱れが原因で、欠乏症を引き起こす場合があります。
欠乏症は白髪の増加や脱毛、肌荒れなど、見た目に老化を感じさせるような症状が多いです。
逆を言えば、ビオチンを摂取するよう心がければ、若々しい見た目を維持することができるということです。
食生活をはじめとする生活習慣を見直し、ビオチンが不足しないようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。